社内恋愛症候群~イジワル同期の甘い素顔~
「水曜に接待とか、無理だろ?」

年末の今の時期、取引先の忘年会に駆り出されるのは毎年恒例のことだ。金曜日の今日、お互いの時間があいている方が珍しい。

「成瀬にはきついかもね。あんまりお酒強くないし」

「結構飲ます相手でさ。帰ってからの記憶がなくて、気がついたら朝だった」

あはは……と笑う成瀬に「彼女が介抱してくれないの?」と口から出そうになったけれど我慢した。そんなことを聞いても楽しいわけない。自分で自分の首をしめるようなものだ。

次の言葉に迷っていると、お好み焼きの具が届けられた。

自分で食べるものは自分で焼くのがこの店のスタイルだ。

ちょうどよかった……。

「あぁ、お腹すいた。早く焼いて食べよう!」

「そうだな。おい、お前いきなり混ぜるのか?」

「え? 駄目なの」

「まぁ、いいけど、すげーこぼれてるけど大丈夫なのか?」

不器用な私が混ぜているカップから、キャベツがボロボロと鉄板の上に落ちている。

「えっ、嘘。もったいない」

ふたりでギャーギャー言いながらお好み焼きを焼く。成瀬はこうみえて(?)起用で綺麗な丸い形のお好み焼きを華麗にひっくり返した。

私がもたもたしているとさっと、ひっくり返してくれた。「どうだ」と言わんばかりに得意げに私の方を見る。
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