今夜、君にラブロマンスをささげよう。

 はい。普通はやらかさない失態をわたしはやらかしましたごめんなさい。


 ーーそう。
 わたしは何もない所で公衆の面前の中、ひっつまずいてすっ転びました。

 もちろん、コケたのは演技じゃない。

 言いたい。言い返したいけれど、こうも白い目で見られると嘘つき呼ばわりされそうで怖い。

 いや、実際コケたんだけれど……。


(ああ、どうしよう)
 わたしって本当に救いようのないどうしようもない子。

 運動神経もずば抜けている志月さんを押し倒すなんて……。

(わたしはまた、人様に迷惑をかけてしまったんだ)


「あの、本当にごめんなさい。わたし……こんなことになるなんて……」


 いったい今日、これで何度目になるだろう。
 数えきれないほど、志月さんに謝り続けている。


 どうしてこうなったのかというと、事態は数時間前に(さかのぼ)る。
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