今夜、君にラブロマンスをささげよう。
5限目の移動教室に向かうその途中で事件は起きた。
わたしは高校生にしては身長が低い。
未だ小学生と間違われるほどに……。
そして元気な男子たちは廊下で走り回ることもしばしば。
だからわたしを見下ろすこともあまりしないわけで……。
そういうことでわたしは廊下で走っている男子とぶつかり、回転して、たまたま横を通った志月さんに激突。
その拍子に押し倒してしまったのだ。
遠くで見るよりも近くで見た志月さんの方がやっぱりとても綺麗だった。
肌も女子のわたしよりずっと細やか。まつ毛も長い。
ううん、綺麗なのは容姿だけじゃない。
とても優しくて紳士だった。
彼は転ぶわたしを庇ってくれた。