今夜、君にラブロマンスをささげよう。

 わたしの腰に回された力強い腕。

 思ってもいなかった人とのちょっとしたアクシデント。


 男の人を押し倒すなんて恥ずかしいことではあるけれど、それでも学園の王子様と言われている志月さんを近くで見られて嬉しいっていう気持ちもある。


 だけど喜んでばかりはいられない。

 その理由は、この月之ヶ丘学園のおかしな伝統とも言える風習。

 なんでもこの学園にはそういう伝統のようなものがあるらしい。


 ーーそう。それこそが、この学園の王子様とわたしが付き合うことになった原因なのだ。
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