今夜、君にラブロマンスをささげよう。
だから志月さんに好きな人がいないって思ってホッてするのは間違ってる。
わたしはブンブン頭を振って、自分に言い聞かせる。
でもでも、志月さんの取り巻きの人たちにこういう縫い直しをしてもらったりしないのかな。
そもそも、わたしは仮染めの彼女なのに、志月さんのボタン付けとか図々しかったかもしれない。
(迷惑だったかな……)
「あのっ、しっ、志月さんは……」
「うん?」
「わたしと付き合うことになっちゃっていいんですか? だって先輩は勉強も運動もなんでもできます。わたしには何も取り柄がなくて……わたしなんかと一緒にいていいのかなって……」
なんだか自分で言っておいて落ち込んでくる。