今夜、君にラブロマンスをささげよう。

 自慢じゃないけれど、わたしの成績はそこそこで、運動神経はまったくないし、てきぱき動けない鈍くささ。

 そんなわたしにーーしかも年下にも頭を下げ、申し訳なさそうに謝る志月先輩はとても律儀な人だ。

 真っ赤な夕日が志月さんの背中を照らす。その光はまるで後光のよう。


(眩しい。眩しすぎる……)

「……こうなったのも全部わたしが悪いんです。だから、ごめんなさいっ!」

 彼が忙しい生徒会が終わっても帰宅することができず、1年C組に来る羽目になったそもそもの原因はわたしにある。

 ペコッ、ペコッ、とわたは何回も深く腰を折る。

(ああ、どうやって志月さんにこの償いをすればいいのかな)

 答えが出るまでは申し訳なさすぎてひたすら謝り続けるしかない。

 ペコペコと志月さんに負けじと謝れば、大きな手がわたしの両肩に回った。
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