今夜、君にラブロマンスをささげよう。
「たしかにね、君とは年上ではあるんだけれどね。それに学園長をしているのは祖母であって俺自身は偉くもなんともないし、そんなに硬くならないでほしいな」
「あっ、はい! いえっ!! そんな恐れ多いですっ!!」
偉くないとそうおっしゃられるけれど、志月さんは生徒会の会長さんだ。
やっぱり凄い人だ。
硬くなるなと言われても、できるわけがない。
わたしはいっそう深く頭を下げた。
そんなわたしを見た志月さんはクスリと笑う。
その笑い声はとても穏やかで、なんだか胸の奥がくすぐったい。
(ああ、だけどやっぱり恐れ多い……)
「えっと、七瀬さんは俺と同じで学校の寮を使っているんだっけ?」
「はい、左様でございます!!」
コクンッ!
学園の王子様に訊ねられ、大きくうなずくわたし。