今夜、君にラブロマンスをささげよう。

「……フフ、そうか。それならほとんど一緒に帰宅できるね」


 目を細めて微笑む志月さんが眩しい。

 まるで酸欠状態だ。
 頭がクラクラしてきた。

「あの、そのようにお気遣いあそばさなくても良いのです」

 自分でも、もう何をしゃべっているのかわからない。
 きっと敬語もとてもおかしい。
 でも、とにかく今は、もう頭が真っ白でパニック状態だ。
 体だって緊張しすぎてカチコチだし。

 ガキゴキと首を大きく振るわたしに、志月さんが止めを刺してきた。

「だけれどね、俺たち付き合っているでしょう?」

(あああ……うう……)

「……っつ! わたし……あの、ほんとうに申し訳ありません……」

 わたしってばいつもこう。
 鈍くさいからこうやって誰彼構わず迷惑をかけてしまう。
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