フラワーガーデンへようこそ〜優しい愛をあなたに〜
…それから数日後、薫はかすみの勤める結婚式場に来ていた。

今回、かすみが一人で初めて担当するお客様の式の打ち合わせに来ていたのだ。

披露宴は行わず、チャペルでの結婚式だけなのだが、薫の評判を聞いた花嫁が、ベールに花の冠をつけて欲しい、ブーケも、こんなものにして欲しいと、色々注文してきたのだ。

その間、薫は真剣に花嫁の要望に耳を傾けていた。かすみも聞き入っていたが、薫の横に座っている為、集中出来ずにいた。

「…それではとりあえずは造花になりますが幾つかブーケと冠を作成してみますので、どれにするか決めましょう」

「…無理を言ってすみません。でも、一生に一度の思い出ですから、彼女の要望に応えてあげたくて」

新郎は申し訳なさそうに、でも、心から花嫁を愛しているんだと分かるように、そう言った。

薫は、笑顔で首を振る。

「何も無理な事はありません。最高の思い出になるよう、私も精一杯やらせていただきますので」

「「ありがとうございます」」

薫の言葉に、2人は嬉しそうに礼を言った。

そして、帰って行く。かすみは2人をお見送りすると、片付けをする薫に、頭を下げた。

「…今日は、色々ありがとうございました。よろしくお願いします」

「…いいえ、私も嬉しんです。ブーケだけではなく、花嫁が被るベールの冠まで作れるなんて。初めての事ですから、気に入って頂けるか正直不安ですが、頑張ります」
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