バウンス・ベイビー!


 いざ!そう掛け声をかけて部屋を出る。平野が来ることが判っていても、気持ちは弾んでいた。ブランチから時間が経っている上に掃除で体力を使ってお腹は空いているし、飲む気満々で。今晩は浜口さんにぴったりひっついていようっと、そう決心して。


「お疲れ様~!千明ちゃんこっちよ~!」

 作業場がある駅前のロータリーで、北浦さんが私をみつけてブンブンと手を振っている。私はそれに笑顔でこたえて駆け寄った。だけど、あれ?待ち合わせ場所にいるのは北浦さんただ一人。

「北浦さん、お疲れ様です!皆さんは?」

「仕込みが早く終わったのよ、今日!やっぱり皆何となくウキウキしてたしねえ。それで先にいってもらったの」

「え、私を待って下さったんですか?うわあ~すみません、場所、メールで教えてくれたら行きましたのに」

 そういうと、北浦さんはケラケラと笑う。

「いいのよ、だってあたしがメールうまく使えないんだから!さ、いきましょ。お腹すいてるわね?」

「空いてます!」

 今日は幹事の北浦さんが、選んだ店の紹介を道々してくれたお陰で、私はどんどんお腹がすいてくるのを感じていた。炉辺焼きの店らしい。ホッケが最高らしい。お酒も種類が揃っているらしい。・・・あ、涎が。

 歩いて5分ほどの店に到着して、コートを脱いで案内された座敷へと向かう。そこには確かに私と北浦さん以外の全員が揃っていて、ニコニコと笑顔で話をしていた。

「あ、藤だ」

 リーダーの声に頭を下げる。全員がこっちをみて、色々と挨拶が飛んできた。

「お疲れ様です、遅くなってすみません」


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