バウンス・ベイビー!
リーダーの横に座った田内さんが、いやいやと手を振った。
「遅れてないよ、大丈夫。今日仕込みが早く終わったんだよ」
「ほら、早く座れよ。北浦さん、始めましょう~!」
リーダーもご機嫌のようだった。素晴らしい。いつもは罵声ばかりはく口元も口角が上がって、よく考えたら滅多に見られない私服姿で寛いでいるようだった。機嫌が良いときの高峰リーダーは、イケメンのメガネ男子に様変わりだ。是非この上機嫌をキープして貰いたい、私はこっそりと心の中でそんなことを考えた。
リーダーだけではなく、勿論他の皆も私服だ。普段エプロンに白い帽子で髪の毛を隠している姿ばかり見ているので、頭が見えているってだけでもかなり印象が違って見える。
多分それは私も同じなのだろう。千明ちゃんってそんなに髪が長かったっけ?と前園さんが聞いて来たところを見ると。
北浦さんがお店の人を呼び、めいめいが飲み物を注文する。上座にリーダー、その両脇は前園さんと田内さん。田内さんの隣に平野が座っていて、前園さんの横には浜口さん。案内された時にパッとその構図を見た私は、すぐに浜口さんの隣へと荷物を置いた。私と平野の間に北浦さんを挟む形にして。
とりあえずは思い通りだ。ホッと息をはいて、平野の方は絶対に見ないようにしながらパートさん達に話しかける。ビールが運ばれて、リーダーが乾杯の音頭を取り、ようやく忘年会が始まったのだった。
「食え~!そして飲め~!」
「任せて下さい!」
田内さんが腕まくりをして目を輝かせて言った。