バウンス・ベイビー!


「・・・何だ、藤も吸うのか?」

 出たところでいきなり声をかけられて、私は思わず飛び上がる。

「うわあ!」

 振り返ると奥の暗がりで店の壁に背を預けて、高峰リーダーがこっちを見ていた。

「・・・あ、リーダー。びっくりした~」

「失礼だぞ人をお化けみたいに」

 冷たい風で熱くなった顔が冷やされていく。私がリーダーの方へと体を向けると、吸う?とタバコを差し出してきた。

「いえいえ、結構です。トイレの帰りですよ。ちょっと酔ったなあ~と思って風にあたりにきたんです」

 ああ、とリーダーは頷いた。

「お前ら強いんだな~。俺、あれだけ酒飲んだら酔いつぶれて明日も使いものにゃならねーよ、きっと」

「パートさん達強いですよね。まだまだいけそうでしたよ、注文もしてましたし」

 さすがに風が寒くて手で体を抱く。酔いも若干マシになりつつあるし、風邪引く前に戻らなきゃ、そう思ったところで、目の前にコートがずいっと差し出された。

「着ろ」

 高峰リーダーが、自分のを脱いで私の方へと差し出していた。ビックリしてつい目を丸くする。

「え、いいですよリーダー。まだタバコ吸いますよね?私もう戻るんで――――――」

「なあ、藤」

 まだこっちにコートを持った腕を差し出しながらリーダーが呼んだ声が、改まったものだったので思わず顔を見る。

「はい?」

 何だろう。そう思って真っ直ぐに見た高峰リーダーは、私と目が合うとそらしてしまった。口に火のついたタバコをくわえたままで、えらく静かに言った。


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