本を片手にあなたと恋を
日曜日は、一日中拓海のことを考えてしまったし、月曜日は拓海に会ってしまうのが怖くて図書室にいけなかった。
火曜日は、真央になにか言われるかとビクビクして、結局その事には一言も触れなかったけど、心なしかにやにやしていた。何故か、和樹もにやにやしてたように感じたのは気のせいだろうか。
水、木とやはり図書室に行けず遂に金曜日が来てしまった。
今日の授業は全然集中できなかった、と思いつつ鍵を手に図書室に向かう。
それを言えば、この一週間ずっとそうなのだけれど。
これは、重症だと自分でも思う。
好きとかわからないとか言いながらこんなに考えてしまう。
図書室の前に拓海の姿が無いことにちょっとだけほっとして鍵を開けた。
ドアを開けて、明かりをつけるとカウンターの中に荷物をおいて、腰かけるとパソコンの電源をいれる。
もう何回目かわからないこの動作に何だか心が落ち着く。
息を深く吸うと、本の匂いがしてやっぱり心地よい。
人の気配がして身構えると、本を返しに来た生徒だった。
「お願いします。」と言うなり本を置くと急いで帰っていってしまって挨拶し損ねた。
いろいろだめだ、とほっぺを叩いて気合いをいれる。
すると、今度は本当に拓海が入ってきた。
ドキドキしながら「おはよう」と精一杯の笑顔で言うと拓海も笑顔で「おはよう」と返してくれた。