社内恋愛症候群~小悪魔な後輩君に翻弄されて~
「あ、ごめんね。まだご飯作ってる途中だから、テレビでも見てて」

私は急いでキッチンへと戻ると、料理の続きを始めた。

ガーリックトーストが焼き上がり、あとはアクアパッツァを仕上げるだけだ。

熱したフライパンに、オリーブオイルと刻んだニンニクを入れしばらくすると、いい香りが鼻をくすぐる。

それに誘われたのか、若林くんがキッチンに顔を出した。

「オレも手伝います」

ジャケットを脱ぎ、ネクタイをはずした彼が、シャツの袖をまくりながら現れた彼は、本気で手伝うつもりらしい。

「でも、若林くんの誕生日のお祝いなのに。あ、もしよかったら先に飲む? 白ワイン冷えてるよ。冷蔵庫あけてみて」

若林くんは冷蔵庫から、ワインボトルを取りだした。

「どうせなら、飲みながら作りません? グラスどこですか?」

悪戯めいた笑顔の彼の提案を受け入れた。

「いいわね。食器棚の中にない? ごめんね。手が離せなくて」

ワイングラスを準備して私が料理を続けている横で、彼はワインオープナーを使ってコルクをぬいた。
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