社内恋愛症候群~小悪魔な後輩君に翻弄されて~
盛りつけた料理を、彼がつまんで口に放り込んだ。

「ん、うまい!」

笑顔の彼を見た私は、合格点をもらえたことに胸をなでおろして、ダイニングテーブルへと料理を運んだ。

ふたりがけのテーブルはそこまで広くない。

少しでも誕生日の雰囲気が出るようにと、キャンドルだけ準備した。

向かい合って座り、もう一度乾杯する。

「誕生日おめでとう。素敵な一年になりますように。乾杯」

腕を伸ばして、カチンとグラスを合わせた。

笑顔の彼がじっと私を見つめる。

「貴和子さんがいたら、それだけで幸せです」

思わず顔がほころんでしまう。お祝いをしているのは私なのに、向うが私を喜ばせてどうするのよ。

「冷めちゃわないうちに食べて」

「いただきます」

礼儀正しく手を合わせた彼が「うまい」と連呼するのを聞きながら、私も食事を始めた。

若林くんは食欲は旺盛だけど、食べ方がすごく綺麗だ。そんな彼をみるのも私は好きだった。
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