社内恋愛症候群~小悪魔な後輩君に翻弄されて~
渡された用紙を開くと、そこには『婚姻届』という文字があった。
「こ、これって」
薄い用紙を持つ手のひらに、うっすらと汗が滲む。指先に力が入ってしまい少し皺がよった。
「貴和子さんに誕生日プレゼントなにが欲しいか聞かれたとき、色々考えたんですよ。だけど結局『貴和子さん自身』しか思いつきませんでした」
真剣な顔でそう告げるのだから、嘘や冗談じゃないだろう。
だけど、こんなに急にわたされて、「はい、わかりました」って、サインできるものでもない。
「ねぇ、ちょっと若林くん落ち着いて」
「落ち着いてます。それと『若林くん』じゃなくて『颯真』です」
確かに彼は冷静だ。私ひとり焦っている。けれど、これが焦らずにいられるだろうか。
「そんな、急に思いつきだけでする話じゃないでしょ」
一生のことなのだ。こういうことは衝動的にやっていいものではない。
「思いつきなんかじゃありません。現に証人の欄には、姉にサインしてもらってますから」
そう言われて、よく見てみるとたしかに仁美さんのサインもある。
「本当に本気なの?」
私の真剣な質問に、彼は静かに頷く。その強い目の輝きから、彼が本気だと言うことが伝わってきた。
口の中がカラカラで、酷く喉が渇く。
「こ、これって」
薄い用紙を持つ手のひらに、うっすらと汗が滲む。指先に力が入ってしまい少し皺がよった。
「貴和子さんに誕生日プレゼントなにが欲しいか聞かれたとき、色々考えたんですよ。だけど結局『貴和子さん自身』しか思いつきませんでした」
真剣な顔でそう告げるのだから、嘘や冗談じゃないだろう。
だけど、こんなに急にわたされて、「はい、わかりました」って、サインできるものでもない。
「ねぇ、ちょっと若林くん落ち着いて」
「落ち着いてます。それと『若林くん』じゃなくて『颯真』です」
確かに彼は冷静だ。私ひとり焦っている。けれど、これが焦らずにいられるだろうか。
「そんな、急に思いつきだけでする話じゃないでしょ」
一生のことなのだ。こういうことは衝動的にやっていいものではない。
「思いつきなんかじゃありません。現に証人の欄には、姉にサインしてもらってますから」
そう言われて、よく見てみるとたしかに仁美さんのサインもある。
「本当に本気なの?」
私の真剣な質問に、彼は静かに頷く。その強い目の輝きから、彼が本気だと言うことが伝わってきた。
口の中がカラカラで、酷く喉が渇く。