社内恋愛症候群~小悪魔な後輩君に翻弄されて~
「……っう、なにそれ反則」

顔を赤くした颯真が、眉間に皺を寄せた。そして次の瞬間私を抱きあげる。

「寝室あっちですよね」

「え? 待って——」

「待ちません。オレ、今日は絶対プロポーズするつもりだったから、色々我慢しようって心に決めてきたんです。

それなのに部屋は貴和子さんの匂いでいっぱいだし、エプロン姿なんてたまんないし——」

一気にまくしたてながら、颯真は私をベッドに運んだ。そして優しく私を寝かせると、すぐに覆いかぶさってくる。

鼻先がふれるほどの距離で、艶っぽい視線を私に向けた。

「それなのに、煽るからもう我慢の限界です。

今日は誕生日なんで、すみずみまで奪うつもりですから、覚悟してくださいね」

甘い笑顔で、怖いことを宣言する。

だけど、そんな彼に夢中な私は断ることなんてできない。

彼の背中に腕を回して、抱きしめた。それがOKの合図だ。

唇を薄く開いて、彼のキスを受け入れる。すぐに侵入してきた彼の舌は、無遠慮に私のこころまでかき乱す。

「愛してる、貴和子」

耳にキスしながらそう囁いた彼の手が、優しく私の体を撫でる。

彼が触れたところが熱く、溶かされていく。こわばった体がその手に癒されていく。

物腰のスマートな王子様の仮面の下に、こんなに激しい彼が潜んでいるのは、他の誰も知らない私だけの秘密だ。

今日もそんな彼に癒されて、愛されて、溶かされる夜が始まる。

END
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