社内恋愛症候群~小悪魔な後輩君に翻弄されて~
そこまで聞いて私は静かにその場を離れた。
目的であった営業部には向かわずに、同じ六階にあるリフレッシュコーナーへと向かった。
そのまま帰って三木さんとすぐに顔を合わせるのは気まずい。
先ほどまで自分の陰口を言っていた相手なのだ。少し気持ちを落ち着けてからデスクに戻ろうと思った。
急いでいたせいで、先客がいるのを確認せずに足を踏み入れてしまった。
「衣川くん……」
思わず呼び方が昔に戻ってしまう。
「蓮井か、お疲れ。さっきはありがとう。急いでたから助かった」
窓にもたれかかって、缶コーヒーを飲んでいた彼がこちらに気づいて声をかけてくれた。
「ううん。それが私の仕事だもん。気にしないで」
「そっか。でもなにかあったんだろう。じゃなきゃこんなところで、そんな辛気臭い顔してないはずだ」
辛気臭い顔か……。
衣川くんは、自分はいつもしれっとして感情を表に出さないくせに人の表情の変化にはすごく機敏に反応する。
その観察力の鋭さも彼の出世の要因のひとつのような気がする。
目的であった営業部には向かわずに、同じ六階にあるリフレッシュコーナーへと向かった。
そのまま帰って三木さんとすぐに顔を合わせるのは気まずい。
先ほどまで自分の陰口を言っていた相手なのだ。少し気持ちを落ち着けてからデスクに戻ろうと思った。
急いでいたせいで、先客がいるのを確認せずに足を踏み入れてしまった。
「衣川くん……」
思わず呼び方が昔に戻ってしまう。
「蓮井か、お疲れ。さっきはありがとう。急いでたから助かった」
窓にもたれかかって、缶コーヒーを飲んでいた彼がこちらに気づいて声をかけてくれた。
「ううん。それが私の仕事だもん。気にしないで」
「そっか。でもなにかあったんだろう。じゃなきゃこんなところで、そんな辛気臭い顔してないはずだ」
辛気臭い顔か……。
衣川くんは、自分はいつもしれっとして感情を表に出さないくせに人の表情の変化にはすごく機敏に反応する。
その観察力の鋭さも彼の出世の要因のひとつのような気がする。