社内恋愛症候群~小悪魔な後輩君に翻弄されて~
私の返事を聞いて、にっこりと笑った彼はオイルのついた両手で私の手を包み込んだ。

彼の熱で心地いい温度になったオイルが、私の手になじんでいく。

彼の親指をつかった手のひらへの指圧は、力加減が心地よく体、全体の力が抜ける。

リクライニングされたソファに深く身を預ける。

間接照明だけで明かりの絞られた空間に心地の良い音楽と、アロマの香り。それに彼からのマッサージでこの上ないほどの癒しを感じていた。

若林くん……すごく上手だ。

手のひらをマッサージした後、人差し指から順番に一本ずつ彼の指で挟みながら付け根から指先に向かってほぐしてくれる。少し痛いくらいの強さが気持ちいい。

気が付けば私はゆっくりと瞼を閉じて、彼の作り上げてくれた癒しに身をゆだねていた。

どうしてこんなことになったんだろう。

そう思うけれど、彼の手の熱が、感覚が、私に色々と考えさせることを許してくれなかった。
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