社内恋愛症候群~小悪魔な後輩君に翻弄されて~
「でもクビになったら、仁美さんに雇ってもらえばいいんじゃないの? 若林くんのマッサージ本当にきもちよかったから」
「オレまだ、日芝で働きたいんで、当分は蓮井さんの専属でいます」
思わせぶりに笑った彼の顔から目が離せない。
うっかり見とれていたことを気づかれたくなくて、軽口をたたく。
「そんなにタダ働きしたいの?」
「他ならぬ、蓮井さんのためなら。あ、でも……どうしても支払いたいって言うなら、オムライスおごってください」
おどけた風にいう彼がおかしくて「いいわよ」と答えた。
サロンの出口まで数歩の距離なのに、会話がはずむ。
気がつけばきちんと“気分転換”出来た私は、笑顔で店の扉を開けた。外から冷たい空気が流れ込んでくる。
彼にもう一度お礼を言おうと振り返ると、私の手を取って、指先をみつめている。
「次はネイルの予約はきちんとしてきてくださいね。それと、オレのマッサージも完全予約制なんで事前に連絡ください」
そう言って私の手に、お店のショップカードが握らされた。
それは仁美さんからもらったものとは違って——彼の連絡先が記されていた。
「ご予約お待ちしております」
なにかを期待させるような視線に、絡めとられてしまう。
「オレまだ、日芝で働きたいんで、当分は蓮井さんの専属でいます」
思わせぶりに笑った彼の顔から目が離せない。
うっかり見とれていたことを気づかれたくなくて、軽口をたたく。
「そんなにタダ働きしたいの?」
「他ならぬ、蓮井さんのためなら。あ、でも……どうしても支払いたいって言うなら、オムライスおごってください」
おどけた風にいう彼がおかしくて「いいわよ」と答えた。
サロンの出口まで数歩の距離なのに、会話がはずむ。
気がつけばきちんと“気分転換”出来た私は、笑顔で店の扉を開けた。外から冷たい空気が流れ込んでくる。
彼にもう一度お礼を言おうと振り返ると、私の手を取って、指先をみつめている。
「次はネイルの予約はきちんとしてきてくださいね。それと、オレのマッサージも完全予約制なんで事前に連絡ください」
そう言って私の手に、お店のショップカードが握らされた。
それは仁美さんからもらったものとは違って——彼の連絡先が記されていた。
「ご予約お待ちしております」
なにかを期待させるような視線に、絡めとられてしまう。