社内恋愛症候群~小悪魔な後輩君に翻弄されて~
好かれているとは思っていなかったけれど、まさかここまでとは……。
沈んだ気持ちに追い打ちをかける言葉が室内から洩れてきた。
「はぁ……彼女がここに配属になるって決まったときに、こうなるとは思っていたんだ」
ため息交じりに、心底疲れた声がきこえてきた。それは山崎部長のものだ。
——うそ。そんなふうに思われていたなんて。
「彼女は……」
中からはまだ部長の声が聞こえてきていたが、私はその場を早足で離れた。
それまで、まったく動こうとしなかった足が驚くほど早く動き、自分でも驚いた。
普段あまり使用されない、非常階段を駆け上る。
カツカツとヒールの音を響かせて、私は屋上まで駆け上がり、扉を開いた。
それまで、薄暗い階段にいたせいかパッと開けた明るい空間に、目を細める。
「はぁ……はぁ……」
大きく肩を上下させて、息を吸い込む。脇腹は痛いし、胸も苦しい。
けれど、解放感のある場所に来たことですこし自身を落ち着けることができた。
鉄柵に手をかけて、ビル群の合間から見える空を見上げ、深呼吸をする。
しかし、そのとき山崎部長が口にした言葉がよみがえってきて、ぎゅうっと胸が絞られるような感覚に、自分の手を胸にあてた。
三木さんに、なにか言われるのならまだいい。
信頼していた山崎部長の言葉が、私を深く傷つけた。
自分では頑張ってきたつもりだったのに、上司にうとまれているとは、思ってもみなかった。
沈んだ気持ちに追い打ちをかける言葉が室内から洩れてきた。
「はぁ……彼女がここに配属になるって決まったときに、こうなるとは思っていたんだ」
ため息交じりに、心底疲れた声がきこえてきた。それは山崎部長のものだ。
——うそ。そんなふうに思われていたなんて。
「彼女は……」
中からはまだ部長の声が聞こえてきていたが、私はその場を早足で離れた。
それまで、まったく動こうとしなかった足が驚くほど早く動き、自分でも驚いた。
普段あまり使用されない、非常階段を駆け上る。
カツカツとヒールの音を響かせて、私は屋上まで駆け上がり、扉を開いた。
それまで、薄暗い階段にいたせいかパッと開けた明るい空間に、目を細める。
「はぁ……はぁ……」
大きく肩を上下させて、息を吸い込む。脇腹は痛いし、胸も苦しい。
けれど、解放感のある場所に来たことですこし自身を落ち着けることができた。
鉄柵に手をかけて、ビル群の合間から見える空を見上げ、深呼吸をする。
しかし、そのとき山崎部長が口にした言葉がよみがえってきて、ぎゅうっと胸が絞られるような感覚に、自分の手を胸にあてた。
三木さんに、なにか言われるのならまだいい。
信頼していた山崎部長の言葉が、私を深く傷つけた。
自分では頑張ってきたつもりだったのに、上司にうとまれているとは、思ってもみなかった。