社内恋愛症候群~小悪魔な後輩君に翻弄されて~
それどころか、キスは激しさを増すばかりだ。

そして次第に抵抗することをやめた。だって、心の中では、彼を受け入れていたから……彼のキスが、ぬくもりが欲しいと思っていたから。

気がつけば私は、彼の首に腕を回して必死に彼のキスに応えていた。

長い間続いたキスが終わったころには、私の唇はジンジンして感覚がなくなっていたし、息も上がっていた。

しかしそんな私を見て、若林くんが低くて、甘い声を出す。

「蓮井さんは自分のこと、誰からも必要にされてないと思ってるみたいですけど……」

彼の長い指先が、私の顎を捉えた。そして親指で、私のジンジンする唇を拭う。

「オレがどれだけ、あなたのことを必要としているかわからせてあげます。今すぐ……一晩中」

彼の熱い瞳が、私を捉えて離さない。「NO」なんて言葉、私には思いつかなかった。
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