鬼常務の獲物は私!?
ひどい言われようだが、それに嫌な気持ちを感じている暇はなく、早合点や一人芝居と言われた理由が早く聞きたくて、机の上に心持ち身を乗り出した。
「実は私は……」
比嘉さんの話し方は冷静で淡々としていて、私もなるべく気持ちを落ち着けて聞こうとしていた。
でも、その後に「高山さんが好きなんです」と唐突に打ち明けられ、驚きのあまり机の上から落ちそうになってしまった。
落ちる前に常務が腕を伸ばして支えてくれたのだけれど、その腕を邪魔だとばかりに払いのけて、思わず聞いてしまった。
「神永常務じゃないんですか⁉︎」
「前の会社に勤めていた時、神永常務の秘書をして欲しいと、高山さんは熱心に私の元へ通ってきました。
それを承諾したのは、高山さんに好意を持ってしまったからです」
「じゃあ……高山さんと比嘉さんは、お付き合いを……」
「いいえ。数日前に想いを伝えて、振られました」
再び机から落っこちそうになり、また常務の腕に支えられ、その後はなにも言葉が出てこない。
驚きの最中にいる私に代わり、神永常務が質問してくれた。
「日菜子が聞いた噂は?
親父が、小百合を俺の婚約者のように話しているようだが」