鬼常務の獲物は私!?
好きだと言ってもらえて、顔は耳まで赤く染まり、のぼせたような顔になってしまう。
心が弾んで、嬉しさのあまり調子に乗ってしまいそうだったが、その気持ちをなんとか押さえ込み、落ち着けと自分に言い聞かせていた。
勘違いするのはもう二度と嫌だから、これだけは確認しておかないと……。
「あの、俺の女という意味は……慰み者ではないんですよね?」
最後の心配事を恐る恐る聞いてみたら、「あ"?」と不機嫌そうな声が返ってきた。
「慰み者って、いつの時代だよ。俺は悪代官じゃないぞ」
「そ、そうですよね。ちょっと確かめたかっただけで……」
「婚約だけじゃなく、おかしなことまで考えていたのか。ったく……俺の気持ちを疑うな」
「はい……すみませんでした……」
謝りながらも慰み者だと思われていなかったことにホッとして、さっき言ってもらった告白の言葉を、今度は心から堪能できた。
宿泊は無理でも、服を買ってもらって食事に行こうかなと思い直す。
でも、頰を緩めて単純に喜んでいたのは私だけのようで、常務は前方を睨みながら、声のトーンを落として私に言った。
「で、いつ太郎を捨てるんだ?
俺の女はお前だけなのに、お前は太郎も俺も取るなんて、許さないからな」