仲間ってなんだろう
先に口を開いたのは沙羅だった。
美那はずっと5年前のことを謝らなければいけないと思っていた。
だから謝るのは自分の方で、紗羅が何のことを謝ったのか理解出来なかった。
「ドラマ。あたしの知り合いの人が勝手に提案したの。…迷惑だったよね。」
「いや全然!」
美那はそう言ってから声が大きすぎると思った。
周りが少し静かになって美那に目をやったからだ。
美那は恥ずかしそうに肩をすくめると、少し声を小さくして呟いた。
「…晴樹も、喜んでたし。」
それが少し悔しくはあったが、あんなにキラキラしてる晴樹を見るのは久しぶりだった。
「そっか……良かった。」
安心したように笑った紗羅に、美那は首を傾げた。
「知り合いって、よく会いに行ってた記者の人?」
「うん。ちゃんと話し合って仲直りしろって。」
「本当に仲いいんだね。いいなぁ……」
紗羅は美那の言葉に驚いて顔をあげた。
「いいなぁって?」
「だって、私には自分のこと相談出来る人なんていないもん。」