仲間ってなんだろう

美那はこんなことを言っている自分に心底驚いていた。




今まで紗羅を羨ましいと思ったことは何度もあったが、こんなに素直に口にしたのは初めてだった。




「…あたしに相談、してよ。」




「え……」




紗羅は少し笑ってみせた。




「…仲直り、したいな。
美那とも晴樹とも。

だから、何かあったら相談してよ。

撮影の間はずっと一緒なんだし。」




美那の目は驚きでまん丸になっていた。




「え…いいの?ほんとに?」




美那は5年前のことを思い出して言葉に詰まった。



SaraがStarlightを脱退したとき、1番苦しんだのは紗羅だったはずだ。



その原因になった自分を許して仲直りするなんて一生無理だと思っていた。




「いーの!もう5年も前のことだから!」




紗羅の笑顔に、美那は溢れてきた涙を拭った。




「え!?ちょっと、美那泣かないでよ!」




「泣いてない!泣いてないもん!」




(紗羅は優しいなぁ)




今までは、お互いのことを知りなさすぎたのかもしれない。



表面のことだけを見て嫌いになって、ずっと遠ざけていた。



2人のこの心境の変化は、2人が高校生のときに比べて少し、成長した証拠だった。





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