仲間ってなんだろう
「びっくりした。瑞希さんと仁さんが結婚だなんてね。」
ついさっき瑞希から結婚のことを聞かされ、沙羅と春樹と美那は驚くなんてものではなかった。
「あの2人、いつの間に仲良くなってたんだろうね。」
沙羅と春樹はパーティーの片付けを手伝い終わり、エレベーターを待っていた。
2人は高校を卒業してから実家を出たが、美那はまだ実家暮らしだったため早くに帰っていた。
「俺達も、そろそろそんな歳かもね。」
春樹の静かな声に沙羅は頷いた。
「もうちょっとで23歳だもんね。あ~、歳とりたくない。」
そのとき、ポーンという音がしてエレベーターの扉が開いた。
2人がエレベーターに乗って振り返るとまだ残って片付けをしているスタッフの人達が目に入った。
扉が閉まり、エレベーターは1階に向かって動き出す。
少し急いがないと終電に間に合わない時間になっていた。
「……沙羅が好きなのは、正樹さん?」
「え?マサさん?」
春樹の突然の言葉に沙羅は驚いた表情になった。
「あはは、それはないよ!マサさんは……」
(マサさんは兄みたいなもの。)
そう言おうとして沙羅は言葉を止めた。
兄というにはなぜか足りない気がして。
だからと言って好きな人、というのはもっと違う気がする。
「……マサさんは?」
春樹が少し悲しそうに眉を寄せた。
「兄、みたいなものなんだと思うの。」
沙羅はそう自分に言い聞かせるように無理矢理その言葉を口にした。
「実を言うとね、人を好きとか、そういうの思ったことないんだ。」