Christmas Rose
その夜は王宮で盛大な舞踏会が開かれた。
イブニングドレスに身を包んだアリスがホールに現れると、集まった貴族たちからは驚きの声が上がり、皆の視線が一気にアリスに向けられた。
「アリス様がドレスをお召しになってるわ…」
「やはり、あの噂は本当でしたのね。ほら、隣国の王子の元へ嫁ぐと。」
あちらこちらでヒソヒソとアリスについての噂話が聞こえてくる。
しかし、アリスはそんな者達の声など、一言も耳には入って来ない。
まるで人形のように何の感情も表さないまま、ホールの中央へやって来た。
「…今宵、私からみなに申し伝える事がある。」
王国が一歩前に出た。
「…我が国の第一王女フィオナと、カイル国の第二王子アレン殿との婚約が決まった。」
国王の言葉に、舞踏会に招かれた貴族達から歓声が上がった。
「…そしてもう一つ。我が国の第二王女アリスにはギルティ国の時期国王、シド殿との婚約が決まったことをこの場を借りて正式に発表する。」
アリスはその言葉に手をギュッと握りしめた。
突然の王国の発表に、ホールは一気にどよめいた。