夢物語

ガキを連れ出した。
ヤツが追いかけてくる。


町の中をかける。
この町の地図は頭に入っている。
ヤツをまけるよう死角を通る。



はぁ…はぁ…




「おにーちゃん。
ありがとう。」



こんなガキの笑顔もたまにはいいな。



「おいガキ。
お前どうしてヤツに絡まれていたんだ?」



「お母さんからおつかい頼まれて
そしたら…おじちゃんが……
うえーーーーん。グズっ……。」


あー。泣き出してしまった。
はぁ、



「はいはい。わかった。
泣くな。お前だって立派な男だろ。
泣いたらなヒーローなれないからな。」



「…僕……おにーちゃんみたいになりたい!
ヒーローになりたい‼︎
あとね僕の名前ガキじゃないよ。
流樹(るじゅ)ていうんだ。
かっこいいでしょ。」



珍しい名前だな。


「ああ。送っていってやるよ。
家どこだ。」



「あっち」



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