強気な彼から逃げられません




「愁さんは楽しかったのかなあ。あ、私をからかって嬉しそうにしていたけど。あ、それはいいんだけど。
美絵、そう、美絵ね、真二くんっていう怜さんの事務所の男の子と気が合っちゃって、もしかしたらもしかするかも」

美絵と真二君は、お店を出た後、かなり上機嫌で二タクシーに乗り込み帰っていった。

真二君がどこに住んでいるのかはわからないけど、きっと二人は今も一緒にいるような気がする。

明日、美絵を追及するのが楽しみで仕方がない。

「あ、ねえ、真二君には付き合っている女性はいないよね? 愁さんが、美絵に『真二はおすすめ』って言ってたから、大丈夫だよね?」

『真二?あいつ、もてにもてるぞ。事務所の若い女の子たちのターゲットにされてる。 仕事はできるし見た目もいいし。裁判所で戦ってる姿なんて、男でもうなる。
おすすめはおすすめだけど、女関係は知らねえ』

怜さんのどこか突き放した言い方も、普段とは違うような気がした。

電話がかかってきてから感じていた違和感が増して、どう受け止めていいのかと黙ってしまった。

いつも、優しい口調で誤解を生まないように、感情を細やかに砕いて話してくれるのに、夜中で眠いのか、普段と違う温度を感じた。


< 75 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop