強気な彼から逃げられません
そして怜さんが帰ってくる日の夕方、私は少しでも早く会いたくて、空港に怜さんを迎えに行った。
混み合う空港の到着ロビーで怜さんを見つけた途端、体がほっと温かくなる。
ゲートを出てすぐ、視線を周囲に巡らせた怜さんは、私に気づくと
「芹花っ」
手を振り、大きな笑顔を見せた。
細身のスーツがよく似合う男前は、周囲の女性たちから向けられる目なんて気にもせず、まっすぐに私のもとへと帰ってきてくれた。
そして、ようやく私の側に来てくれたかと思うと、両手で私を抱き寄せた。
「ちょ、ちょっと、怜さん……」
行き交うたくさんの人が見ている中で抱き寄せられ、ぐぐっと力をこめられた私は、恥ずかしいながらも耳元に聞こえた怜さんの満足げな吐息がうれしくてたまらない。
「ただいま、って言うのがこんなに嬉しいなんて、な」
その言葉に、体は溶けそうになる。
「もしかしたら、迎えに来てるかもって期待してたけど、芹花を見つけた瞬間、俺がどれほど嬉しかったかわかるか?」
「れ、怜さん、期待してた?」
迎えに来るとは言わずにこっそりとここまで来たけど、本音を言えば不安だった。
職場の人たちがいる中で、そっけない態度でやり過ごされてしまったらどうしようかと、少なからず不安もあったけれど、それでも会いたいから行ってみようと勇気を出してここまで来た。