その顔が見れるのは私だけ
『気になるんなら、メッセージ送ってみたらどうですか?』

『メッセージ?』

『ラジオでメッセージ募集してますよ。読まれなくてもいいですし、送ってみるだけならタダですし。』

『なるほど…』

でも、メッセージなんて、何を書こう…

『そもそもメッセージってどうやって送るの?ハガキ?』

『先輩、本当にラジオ聴かないんですね…
FM局のホームページからリクエストフォームで簡単に送れますよ。』

そうやって、由衣ちゃんがスマホの画面を見せてくれながら操作をしていく。
簡単にリクエストフォームのページが出てきた。

『すごいね、由衣ちゃん。』

『ふっふっふ。地元のアーティストの追っかけやってますからね。ラジオで流してもらえるようにリクエストとか結構やってるんです。』

『な、なるほど…』

流石、この子はすごいわ…。

『こんな感じでどうですか?』

そう言って見せてくれた画面には

「今日朝から電車で僕とにゃーちゃんを読んでる人を見かけました。もしかして ヒロさんですかね??」

いつの間に…打つの早い…
そう思っていると

送信!
ボタンまで押している…

送っちゃった…現代っ子だな~と5歳差ながらに驚いてしまった。

『メッセージ読まれますかね~。』

『さぁ、どうだろう?たくさん来てるだろうし。』
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