一方通行 1
雄「ちゃんと彼氏できたら、報告しろよ?」








「何回言ってるの。」









家までの帰り道、何度も同じ事を言う雄希に呆れ笑いが出る。









雄「俺が見定める。いい加減な奴だったら別れさせるからな。」









唇を尖らせて言う。









「雄希にそんな権限ありませーん。」









雄「俺を通さずに、お前と付き合える男なんていませーん。」









なにそれ、と笑って返すけど









どうしても喜んでしまってる









優那の次だって分かってるけど







私も雄希にとって、普通だけの存在ではないのだと。




























しっかり手を繋いだまま、歩く私達。








今だけは、思い込んでもいいかな








同じ想いだって









帰ったら、忘れるから







































「わっ。」









家に差し掛かったころ、急に止まった雄希。






手を繋いでた私もつられて、止まってしまう。


















「雄希?」








隣の雄希を見上げるけど








前方を無表情で見つめてるだけで








私の言葉に反応しない。





























「何見て・・・」









不思議に思い、雄希の視線をたどると


















別におかしくは感じない光景だった。


















学校方面から歩いてくる









大翔と優那








少し空いた距離が気になるくらいで







私からしたら、幼馴染が一緒に下校をしてる








その程度。



























同時に思い出した








『優那・・・だよ。』









大翔は優那が好きなのだと







言った言葉を。
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