一方通行 1
雄「ちゃんと彼氏できたら、報告しろよ?」
「何回言ってるの。」
家までの帰り道、何度も同じ事を言う雄希に呆れ笑いが出る。
雄「俺が見定める。いい加減な奴だったら別れさせるからな。」
唇を尖らせて言う。
「雄希にそんな権限ありませーん。」
雄「俺を通さずに、お前と付き合える男なんていませーん。」
なにそれ、と笑って返すけど
どうしても喜んでしまってる
優那の次だって分かってるけど
私も雄希にとって、普通だけの存在ではないのだと。
・
・
しっかり手を繋いだまま、歩く私達。
今だけは、思い込んでもいいかな
同じ想いだって
帰ったら、忘れるから
・
・
・
「わっ。」
家に差し掛かったころ、急に止まった雄希。
手を繋いでた私もつられて、止まってしまう。
・
「雄希?」
隣の雄希を見上げるけど
前方を無表情で見つめてるだけで
私の言葉に反応しない。
・
・
「何見て・・・」
不思議に思い、雄希の視線をたどると
・
別におかしくは感じない光景だった。
・
学校方面から歩いてくる
大翔と優那
少し空いた距離が気になるくらいで
私からしたら、幼馴染が一緒に下校をしてる
その程度。
・
・
同時に思い出した
『優那・・・だよ。』
大翔は優那が好きなのだと
言った言葉を。
「何回言ってるの。」
家までの帰り道、何度も同じ事を言う雄希に呆れ笑いが出る。
雄「俺が見定める。いい加減な奴だったら別れさせるからな。」
唇を尖らせて言う。
「雄希にそんな権限ありませーん。」
雄「俺を通さずに、お前と付き合える男なんていませーん。」
なにそれ、と笑って返すけど
どうしても喜んでしまってる
優那の次だって分かってるけど
私も雄希にとって、普通だけの存在ではないのだと。
・
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しっかり手を繋いだまま、歩く私達。
今だけは、思い込んでもいいかな
同じ想いだって
帰ったら、忘れるから
・
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「わっ。」
家に差し掛かったころ、急に止まった雄希。
手を繋いでた私もつられて、止まってしまう。
・
「雄希?」
隣の雄希を見上げるけど
前方を無表情で見つめてるだけで
私の言葉に反応しない。
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「何見て・・・」
不思議に思い、雄希の視線をたどると
・
別におかしくは感じない光景だった。
・
学校方面から歩いてくる
大翔と優那
少し空いた距離が気になるくらいで
私からしたら、幼馴染が一緒に下校をしてる
その程度。
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同時に思い出した
『優那・・・だよ。』
大翔は優那が好きなのだと
言った言葉を。