一方通行 1
その言葉がよみがえった上での、あの光景。







私からしたら、何も思わないし







むしろ、都合よく感じてしまう。




























でも、涼介は違うみたいだね









隣に私がいるのに









滅多に見ることのできない冷めた表情








同時に伝わる、繋がれた手に込められる力

























涼介、私の言葉を信じてる様子はなかったのに








いざ、一緒にいるところを目の当たりにして








憤ってるの?








大貴は碧が好きで、奪われるかもしれないって思ってる?





























それなら、そう思ってて









憤って、嫉妬心で醜くなって









「私みたいに、苦しめばいい・・・」









小さく、そう漏らした。





























叶わない想いで苦しんで









私みたいに、苦しめばいいよ








涼介だけじゃない









碧だって








私の気を知らないやつはみんな







苦しめばいいんだ・・・

























大貴も碧も信じられなくなって








私だけを信じればいい



























私は









絶対に涼介を見捨てたりしない









裏切ったりしない





























だから碧じゃなくて









私を見てよ・・・
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