一方通行 1
「ありがと・・・」









素直にお礼を言うのは照れくさい









うつむきながら、ごもる声で言った。



















大「え、なに?聞こえない。」








本当は聞こえてるくせに、ワザとらしく耳を立てて言う。







その証拠に、めちゃくちゃ笑ってるし!

















素直にお礼を言ったのに、からかわれてることに腹が立ち









「ウザ。」









真顔で冷たく言い放った。









大「だって凛那に礼言われるなんて、新鮮だったし。」







ちぇっと悔しそうに見せると、頬を膨らませて言った。


















大「でもまぁ、礼なんて言うな。」









携帯をポケットに突っ込むと、ベンチの背もたれに深くもたれた。









「私だってお礼くらい言うよ。」









口は悪いし、性格もいい方とは行けないけど、人として基本的な事は持ってるつもりだし。








感謝したら、お礼言うのは当然でしょ。


















大「違う。当たり前の事してんだから、礼なんかいらないって事。」









「は?」








何が言いたいんだ?








意味が分からず、怪訝そうに大翔を見る。


















大「お前が落ち込んだ時、傍にいるのは俺の役目だろ。小さい頃から当たり前になってるのに、今更感謝なんかするなって事。」









そう言うと、私の額をペチッと軽くはじいた。
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