君に遺された恋
レグルス様の部屋の前を後にしながら、
ふと廊下の窓から外に目をやると、
ちょうど門番に付き添われてミラが敷地に入ってくるのが見えた。


王子が唯一部屋に招き入れる女の子ミラ…
彼女の不意な登場に、私の胸は追い打ちをかけるようにズキンと傷んだ。


そして急にふと、「使用人として」冷静になる。


「王子に客人……起こさなきゃ…」


私はレグルス様の部屋の前へ引き返して耳を済ませた。
うなされてない…起きたのかな…

コンコンッ

「レグルス様、お目覚めですか?」

「あぁ…今起きたところだけど…」


なんだ。起きたのか。
えと…どうしよう、まだミラはここまで来てない。

個人的な判断で、頼まれても無いのにレグルス様に話しかけてしまった…

…でもミラは約束があるから来たんだよね?


「ミラ様がお越しです。約束があると…」


と、いうことにしておこう。
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