強引同期と偽装結婚することになりました
「よし、ちゃんと企画書あげてきたな。面白そうな企画だ」

月曜日の早朝、急いで纏めた企画書を社長に提出した。

社長は、38とまだ若いけれどユニークツアーの発案者でもあり、とても気さくなのでお兄ちゃん的存在のように勝手に思っている。

「どうした?なんかあったか?」

「い、いいえ。何もありません」


昨日、優木くんと決めたのに、もう顔に出てしまっていた。いけない、いけない。会社への報告は私の企画が成功するまではしない。


「あの、今回優木くんはどんな企画を出してきたんですか??」


「優木はな、今回お前の補佐に回りたいらしい」


「は、はい?」


そんなの聞いてない。また、勝手なことして。だから優木くんにどんな企画案を出したのか聞いたらはぐらかしたんだな。


優木くんの席を見ると空席。私が問い詰めると思って逃げたに違いない。社長によろしくお願いしますと企画書を渡して大慌てで優木くんを探した。
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