ぼっちでも


静まり返った部屋にその『ギィー』と言う音はダイレクトに響き、それと同時に布の擦れる微かな音も耳に流れ込んできた。


とにかく、私はそれらを全てシャットアウトする様にギュッと目を閉じ体を強ばらせた。


今はともかく誰にも会いたくないし、話したくない。


「桃、寝てる?」


ゆっくりと近付いて来た人影はそっと私の頭に手を添える。その触れ方は丸で壊れ物に触れるかの様に慎重で、それだけで胸が痛くなる。


それに久し振りに彼の声を聞いたから妙に緊張する。


「……ごめん、ごめんな」


ゆっくりと私の頭を撫でながら小さく呟いた彼の台詞に私は益々体を強ばらせた。


それはどんな意味合いがあるのだろう?私は彼にも見放されてしまうのだろうか?

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