地獄の果てでキミを愛す
「……」



黙ったまま立ち上がり桜の方に歩く。

わざとゆっくりと。
1歩ずつ踏みしめながら。

だってその方が桜の可愛い顔が見えるから。


「あっ……なお……や……」


俺を見ながらガクガクと体を震わせて。
真っ青になる桜は本当に可愛い。


「そう、俺から目を逸らすな」


笑ったまま言えば桜はハッとした様に目を見開いた。

漸く思い出したか?


「俺から目を逸らしたら駄目だって……。
何度も教えただろう?口でも……体でもな……」

「い……いやぁ……」


ピタリと桜の前で立ち止まり鋭い目つきで見下ろした。
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