もっと、キスして
西煌は普通、普通、バカの割合。
海聖はバカ、バカ、普通(まれに天才)の割合。
規模はどっちも同じぐらいなんだけど…
海聖だったら特待生が取れそうだったから必死に勉強した。
ちゃんと特待生として入学できたから三年間の学費、入学料は免除だ。
それだけでも救われる。
「あれ?もう人がいる。」
入学式が終わって教室にいち早く帰ってきていた私はその声に倒していた体を起こし、ドアの方を見た。
「なに?」
「あ~、ごめんね。別に嫌な気にさせたかったわけじゃないの。」
「いや、何か用って聞いてるだけだし」
「ん?特に。でも一緒のクラスだから仲良くなれたらいいなあって!」
明るい声のその少女は、放つ言葉のやわらかさには似合わないばりっばりのギャルメイク。
ギャルやってまーすって感じの子だった。
だけど…
堀の深いくっきりとした顔だち、大きな垂れ目、ふっくらとした唇。
しっかりとセットされた長い髪。
もしかして…化粧そんなに濃くないのかも。
「隣、いー?」
「うん、もちろん。」