もっと、キスして


「ねえ凛ほんとに行かないの?」


昼休みが終わったあとの授業でちのはそんなことを聞いてくる。


「うん、ごめんね。」


「じゃあ私もやめようかな…?」


「何言ってんの。

せっかく大貴の誕生日お祝いできるチャンスなんだから、
ちのは行ってきて。

私がいなくたっていまは泰成とも喋れるんだから大丈夫だよ。

私の分まで、お祝いしてきて?」



ちのは納得のいかないという顔をしてる。


「じゃあ、プレゼント選びは一緒に行こう?」


「…うん。そうだね

私も大貴に悪いしプレゼントぐらいは買おっかな。」



授業の終わりを告げるチャイムがなってもまだそんなことを話していると、

急に廊下が教室に聞こえるぐらい異様に騒がしくなる。



どうしたんだろ。


ちのも同じことを思ったのか、


「どうしたのかな。見に行ってみる?」


と言って席を立ちかける。


その騒がしさはどんどん教室の近くまでよって来ている気がした。



“待って”。


私がそう放つ前に、その正体はこの教室に姿を現す。


「泰成くんだ。」


「え?」


ドアの前に出来た人だかりで私にはその人物はわからなかったが、

椅子の上にたったちのが小さくそう呟いた。



泰成?



「凛とちのちゃん、このクラスでしょ?」


そんな泰成の声はここまで聞こえた。


あたりが静まると、人だかりは泰成から私たちが見えるように真ん中を開ける。



「いたいた。ちょっときて。」



泰成は可愛い笑顔で私たちを呼ぶ。



「凛、行こ?」


「ああ、うん。」




なんか女子の視線が痛い。


ちのは気づいてるのかな。


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