もっと、キスして


「いい彼氏さんね。」


点滴を変えながら看護婦さんが呟く。


「かっこいいし。」


「え、彼氏じゃないし。

ていうか私どれくらい寝てたんですか。」


「丸一日よ。時計ここに置いといてあげるね。」


看護婦さんが置いてくれた時計。

日付も変わり、時刻も丁度同じぐらいで。

ほんとに丸一日経っていた。


「ねえそれよりあの子彼氏じゃないの?」


「ちがうし。」


「えー?でも何でもない女の子のこと丸一日寝ずにずっとつきっきりでて握っとくなんて有り得る?」



何の話ですか。



「あら。

そうね、あなた寝てたから分かんないのか。」



「今の話ってさっきのあいつの話?だったの?」



「そうよ。

運ばれてから目が覚めるまでずっと寝ずに。」



「うそ…」


「点滴がなくなったらちゃんと知らせてくれて。」


「そう、だったんだ…。」


「めちゃくちゃかっこいいし。
あんな子彼氏じゃないとかありえないでしょ。

なんならあたし、貰ってもいいわよ?」


「ばかじゃないの?

そのほうがありえないし。」


「あらあら。若いっていいなあ。」



看護婦さんは道具をいろいろしまうとそのまま病室を出ていった。


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