アメトムチ
「 何の話? 」
あまりの怒りにドンッと机を勢いよく叩いたその時。横から聞こえた柔らかい声にハッと我に返る。
忘れもしないあの日あの時のあの声に。
「 机叩いたら手が痛くなるよ 」
「 ‥‥‥‥‥‥ 」
「 女の子なんだからさ。大事にしなきゃ 」
ね? とにっこり笑う隣の男に私の頬は引き攣る。
だってこの男はクリスマスの日、振られた直後の私に 「 なに泣いてんの? うざいんだけど 」 と言い、ハッと嘲笑った世界で1番憎い奴。
「 な、な、な‥‥‥っ! 」
「 な? 」
何が ” 女の子なんだからさ。大事にしなきゃ ” だよ。
「なんでここに‥‥っ! 」