Secret×Secret
いや、別にさ、今の世の中29歳なんてまだまだ結婚してなくておかしくないじゃん?
仕事も充実してるしいいじゃん?
・・・って思うけど、やっぱり本音を言うと私だって結婚したい!その前に彼氏がほしい!って思うもんよ。
「まぁさ、土曜の夜にハイボールがっつり飲んで女子力低い格好でそんなこと言ってるもうすぐ三十路は痛々しいからやめとこうか。」
唯にそう言われて自分の今日の格好を見下ろした。
薄くストライプの入ったホワイトのシャツに細めのジーンズとハイカットのスニーカー。
頭にはニット帽に黒縁の眼鏡をかけてる。
「え~!?海外セレブだってこういう恰好してるじゃん。」
「詩乃は海外セレブじゃなくてやっと念願のダーリン!と思ったら嫁がいたっていういつものパターンに絶望してる29歳の純日本人でしょ。」
「うっっ。・・・その通りだけどさ。」
恨めしく唯を睨むけどいつもの少し困った笑顔になんだかこちらが申し訳なくなった。
「大体さ、詩乃は外でキャラ作りすぎてるんだよ。隙がないっていうか。お高くとまって見えちゃう。だから遊びなれてる男ばっかり来るんじゃないの?」
「別にキャラ作ってるわけでもお高くとまってるわけでもないんだよ。ただ、仕事は仕事。どっちにしても社内恋愛なんて絶対嫌だし。」
「まだ渡部くんのこと引きずってるの?」
そう聞かれてまさか、と首を振る。
唯は私と同期の総務部受付。
入社後のオリエンテーションで仲良くなって以来の親友。私の事を私以上に知ってるんじゃないか?と言うくらいいつも的確な意見をくれる。
最初はやっぱり同期というのは一種の連帯感というかそんなのでよく飲み会を開いたり一緒に社食を食べたりみんなでいる事が多かった。
そんな同期の中に編集者として入社した渡部君。
私もまだ秘書課でもいろんな部署の雑務が多く、顔を合わせる機会も多かったし
何より渡部君の人懐っこい性格と笑顔でいつの間にか仲良くなっていた。
数人で飲みに行くこともあったし、残業で遅くなって二人で食事に行くこともあった。
あの頃の私は例にもれず秘書課に来たからには入社して、彼氏ができて2、3年後には寿退社!
なんて夢見てた乙女だったし(今も乙女だけどね!)
それまで散々な恋をしてきた私が彼を好きになるのも当然だったように思う。
その日は前日に飲みに行って駅まで帰る途中渡部君と手を繋いだんだ~なんてピンク色のオーラをまとって唯と外へランチへ向かっていた。
しかし唯の口から衝撃的な言葉
「渡部君、人事部の由香と付き合ってるらしいよ。」
仕事も充実してるしいいじゃん?
・・・って思うけど、やっぱり本音を言うと私だって結婚したい!その前に彼氏がほしい!って思うもんよ。
「まぁさ、土曜の夜にハイボールがっつり飲んで女子力低い格好でそんなこと言ってるもうすぐ三十路は痛々しいからやめとこうか。」
唯にそう言われて自分の今日の格好を見下ろした。
薄くストライプの入ったホワイトのシャツに細めのジーンズとハイカットのスニーカー。
頭にはニット帽に黒縁の眼鏡をかけてる。
「え~!?海外セレブだってこういう恰好してるじゃん。」
「詩乃は海外セレブじゃなくてやっと念願のダーリン!と思ったら嫁がいたっていういつものパターンに絶望してる29歳の純日本人でしょ。」
「うっっ。・・・その通りだけどさ。」
恨めしく唯を睨むけどいつもの少し困った笑顔になんだかこちらが申し訳なくなった。
「大体さ、詩乃は外でキャラ作りすぎてるんだよ。隙がないっていうか。お高くとまって見えちゃう。だから遊びなれてる男ばっかり来るんじゃないの?」
「別にキャラ作ってるわけでもお高くとまってるわけでもないんだよ。ただ、仕事は仕事。どっちにしても社内恋愛なんて絶対嫌だし。」
「まだ渡部くんのこと引きずってるの?」
そう聞かれてまさか、と首を振る。
唯は私と同期の総務部受付。
入社後のオリエンテーションで仲良くなって以来の親友。私の事を私以上に知ってるんじゃないか?と言うくらいいつも的確な意見をくれる。
最初はやっぱり同期というのは一種の連帯感というかそんなのでよく飲み会を開いたり一緒に社食を食べたりみんなでいる事が多かった。
そんな同期の中に編集者として入社した渡部君。
私もまだ秘書課でもいろんな部署の雑務が多く、顔を合わせる機会も多かったし
何より渡部君の人懐っこい性格と笑顔でいつの間にか仲良くなっていた。
数人で飲みに行くこともあったし、残業で遅くなって二人で食事に行くこともあった。
あの頃の私は例にもれず秘書課に来たからには入社して、彼氏ができて2、3年後には寿退社!
なんて夢見てた乙女だったし(今も乙女だけどね!)
それまで散々な恋をしてきた私が彼を好きになるのも当然だったように思う。
その日は前日に飲みに行って駅まで帰る途中渡部君と手を繋いだんだ~なんてピンク色のオーラをまとって唯と外へランチへ向かっていた。
しかし唯の口から衝撃的な言葉
「渡部君、人事部の由香と付き合ってるらしいよ。」