Secret×Secret
「二人とも今日もいつも通り、元気だね。おかわりは?」
同じの!と声を上げようとした私より早く結が右手を挙げた。
「あ、私これで大丈夫です。」
「え~、もう帰っちゃうのー?」
「広樹待ってるからね。」
そうまたいつもの笑顔で荷物をまとめて鞄を手にすると1000円札を3枚テーブルの上に置いた。
「詩乃はまだいる?」
「うーん。もうちょっと飲んでくー。」
そう言って置かれたお金を唯の手に戻す。
「今日は無理矢理つき合わせちゃったからいーよ。」
「じゃぁ、ごちそーさま。今度ランチでもおごるよ。」
「うん!広樹君にもごめんねって言っといて。今日はありがと。」
唯は律儀だなぁなんて思いながらぼんやりスツールから立ち上がる唯を見てるとふと振り返った。
「とにかくさ、私は詩乃に今までの分も幸せになってほしいんだよ。そうやってラフな格好して強いお酒飲んで酔っ払って10代の子みたいな恋に夢見てる詩乃を溺愛してくれる人、見つけないとね。」
「あ、でも酔っぱらってまた変な男に引っかからないように今日は気をつけなさいよ。」
一拍おいて私にそういうと笑顔で手を振って店を出て行った。
待ちくたびれてる広樹君のところに行ったんだようなぁ。
今日はいきなり申し訳なかったな。
唯に言われたことを考えてみる。
そういえば仕事を始めてからこんな素の自分を出せるのは唯の前と実家にいる時くらいかもと思った。
仕事は仕事と割り切って、結局出かけるのだって唯以外でも会社の人がほとんどだしそのままデキル女モードのままになってしまう。
もうそれは無理して作ってるわけでもないし自然にそうなるように出来てしまったけど、そりゃあこのままを私だけを愛してくれる人がいるのなら出会ってみたいよ。
私の大好きなプリンセスたちのアニメ映画では待っていると運命の王子様が助けに来てくれる。
じゃぁ私の王子様は?
道に迷ってるのか、渋滞に巻き込まれてるのか。
だとしたら史上最強の方向音痴だし、今時白馬になんて乗ってこずに飛行機と公共交通機関を利用してダイヤ通りに到着してほしい。
唯から言わせると恋に夢見ている10代の子みたいなことをちょっと現実的に考えながら今まで座っていたテーブル席の荷物を持ってスツールを下りた。
一人になったしカウンターに移動しようと思いカウンターまで荷物を持って席に座るとマスター、と声をかけた。
「ハイボール!強めのね!!」
「詩乃ちゃんなんか難しい顔してるね。」
同じの!と声を上げようとした私より早く結が右手を挙げた。
「あ、私これで大丈夫です。」
「え~、もう帰っちゃうのー?」
「広樹待ってるからね。」
そうまたいつもの笑顔で荷物をまとめて鞄を手にすると1000円札を3枚テーブルの上に置いた。
「詩乃はまだいる?」
「うーん。もうちょっと飲んでくー。」
そう言って置かれたお金を唯の手に戻す。
「今日は無理矢理つき合わせちゃったからいーよ。」
「じゃぁ、ごちそーさま。今度ランチでもおごるよ。」
「うん!広樹君にもごめんねって言っといて。今日はありがと。」
唯は律儀だなぁなんて思いながらぼんやりスツールから立ち上がる唯を見てるとふと振り返った。
「とにかくさ、私は詩乃に今までの分も幸せになってほしいんだよ。そうやってラフな格好して強いお酒飲んで酔っ払って10代の子みたいな恋に夢見てる詩乃を溺愛してくれる人、見つけないとね。」
「あ、でも酔っぱらってまた変な男に引っかからないように今日は気をつけなさいよ。」
一拍おいて私にそういうと笑顔で手を振って店を出て行った。
待ちくたびれてる広樹君のところに行ったんだようなぁ。
今日はいきなり申し訳なかったな。
唯に言われたことを考えてみる。
そういえば仕事を始めてからこんな素の自分を出せるのは唯の前と実家にいる時くらいかもと思った。
仕事は仕事と割り切って、結局出かけるのだって唯以外でも会社の人がほとんどだしそのままデキル女モードのままになってしまう。
もうそれは無理して作ってるわけでもないし自然にそうなるように出来てしまったけど、そりゃあこのままを私だけを愛してくれる人がいるのなら出会ってみたいよ。
私の大好きなプリンセスたちのアニメ映画では待っていると運命の王子様が助けに来てくれる。
じゃぁ私の王子様は?
道に迷ってるのか、渋滞に巻き込まれてるのか。
だとしたら史上最強の方向音痴だし、今時白馬になんて乗ってこずに飛行機と公共交通機関を利用してダイヤ通りに到着してほしい。
唯から言わせると恋に夢見ている10代の子みたいなことをちょっと現実的に考えながら今まで座っていたテーブル席の荷物を持ってスツールを下りた。
一人になったしカウンターに移動しようと思いカウンターまで荷物を持って席に座るとマスター、と声をかけた。
「ハイボール!強めのね!!」
「詩乃ちゃんなんか難しい顔してるね。」