Polaris

もう、あの彼から連絡が来ることは二度とないだろう。

そう思っていたけれど、その後、彼から再びメッセージが来ていたのは言うまでもない。


彼からメッセージが来て、仕方なく返して、そうしたら、また彼からメッセージが来る。

そうしているうちに、SNSサイトでのメッセージのやり取りから、メールでのやり取りに変わるくらいには仲良くなってしまった。


「……ふん」


詩織とのランチを済ませ、家に帰ってきた私はソファーに寝転ぶと携帯のメール画面を開いた。

メール画面には、イツキからのメールの内容が映されている。


《素直じゃなくて、冷たいキョンキョンにもお友達がいたのか! 良かった、安心安心! 北海道はいつも寒いからね〜》


いつも通りのイツキからのメールに、私の頬はぷくりと膨らんだ。


詩織とカフェにいる間に《今日は仕事休みだよ。友達とカフェでランチしてる。こっちはそんなに寒くないよ》という内容のメールを返していた。このメールは、その返事だ。

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