男な女と女な男

｢何や～?青組さんやん｡｣

｢お前も次の競技出るんじゃね―の?｣

思いっきり拓也を睨む瑞樹｡

｢おい｡瑞樹,喧嘩を招くような事すんな｡ほっときゃい―だろうが,ほら行くぞ｡じゃぁな｡｣

秀は瑞樹を引っ張りながら選手が入場する方へ向かって行った｡

その後ろ姿に応援の声をかける樹里達｡

｢頑張ってね～秀♪｣

瑠実は秀を見た事によってテンションが高い｡

｢頑張ってね｡｣

輝は拓也を気にしながらも笑顔で秀と瑞樹に応援の言葉をかける｡

｢頑張れよ―!!!｣

いつも以上にキレ気味の瑞樹を不思議に思いながらも手を振りながら言う樹里｡


そんな3人の言葉は2人にもちゃんと聞こえていた｡

｢おぃ,お前腹立つのは分かっけど落ち着けよ｡相手に喧嘩売ってどうすんだ｡｣

瑞樹の肩をポンっと軽く叩く秀｡

｢うるせ―…｡あいつ…俺だって抱きついた事ないのにあんなに軽く…うあぁぁ!腹立つ!!｣

足元にある石を強く蹴りながら,拓也に執念を抱く瑞樹だった｡