男な女と女な男
「おっ…俺の事,諏訪じゃなくて瑞樹って呼べよな!!」

「はぁ??おぅ。分かったけど…大丈夫か??」

「大丈夫だっつうの!!ほら行けよ!!」

瑞樹に言われ,にっと笑い
樹里は急いでじゃぁな~と走って行った。

樹里の後ろ姿が見えなくなったのを確認すると,また体育館裏の壁にもたれかかり頭を抱えていた。

「…俺今何て言おうとしたんだよ…。」

『おっ…俺の事,諏訪じゃなくて瑞樹って呼べよな!!』

この言葉に嘘はない。
瑞樹は確かに名前で読んでもらいたい願望があった。

だけど,本当は

『樹里の事が好きだ』

と言いかけた。

「うっわ―…俺ダセ―…勢いで告りかけたんじゃん??」

1人,体育館裏で苦笑しながら顔を真っ赤にしている瑞樹だった。
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