男な女と女な男

｢なんだよ～みんなには言えて.あたしには言えないって言うのか!?｣

輝の肩を正面から両手でガシッと掴み.真っ直ぐ輝を見る樹里｡

だがその行為も今の輝は刺激が強すぎ.みるみる真っ赤になっていく｡
そして.耐えれなくなりフイッと樹里から視線を外した｡

｢…｡別に輝が言いたくねぇなら聞かねーよ｡｣

眉間に皺をよせ不機嫌そうに輝から手を離す｡

｢何.何ー??樹里.自分には教えてくれなくて.あたし達が知ってるのが嫌なのー??｣

何か企んだような微笑みを浮かべて樹里に問う藍那｡

｢なっ…別に.そんな事ねーよ!あたしは気にしねぇよ｡じゃ.もうあたし帰るわ｡｣

藍那の言葉にさらに不機嫌そうな顔をして勢いよく屋上の扉を閉めて出ていった｡

その場しばらく重たい空気が流れ.沈黙が続いた｡