Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
お願いだからこれ以上その話をぶり返さないで欲しい。
だってあれはあたしが勝手に妄想して、というか勘違いして、勝手にヤキモチ妬いただけなんだから。
「……っ、凛音っ!」
あーもうホント、あの時の事を思い出すだけで恥ずかしい。
穴があったら入りたいよ。
「凛音!苦しいっ!」
「へ?あ、ごめん」
もごもごと息苦しそうにもがいている貴兄に気付いて、慌てて口から手を離す。
「お前、お兄様を窒息死させる気かよ」
「ごめんごめん!」
プハッと息を洩らし、勢いよく息を吸い込む貴兄に合掌しながら謝ると、貴兄は呼吸を整えながらあたしを元の場所へと下ろした。
「わっ!」
二人掛けソファーへ戻ったかと思えば息つく暇もなく引き寄せられた腰。
それは他の誰でもない、隣にいる十夜の腕だった。
「十夜、なんか話があるって言ってたけどそれは今回の件が終わってからでいいか?」
「あぁ、そのつもりだ」
「じゃあ明日の抗争について策を立てるか」
そう言った貴兄は口端をゆるりと引き上げ、二人掛けソファーの背凭れにそっと腰を掛けた。